リピータ外国人旅行者の受け皿となる民泊の重要性
観光庁は訪日外国人の滞在日数にあわせ、テーマ性、ストーリー性を有する観光地域をネットワーク化することで、旅行者の周遊の促進により地域の活性化を目指した「広域観光周遊ルート形成事業」を実施してきた。現在この事業により北海道から沖縄まで全国でモデルコースが提示されている。約1週間をかけて巡る、各地にある観光地や景勝地、離島なども含んだ観光ルートが形成されている。
各地を巡る交通手段
周遊観光を行う上で重要なのは各地点や各都市を結ぶ交通手段である。従来はJRや観光バスなどが利用されてきた。一方、最近はレンタカーを利用する外国人観光客が増えてきている。レンタカーを利用することで、JRやバスでは通過するだけで、今までは訪れることが難しかった地域へ外国人旅行者が増えているという傾向がある。これは、日本人観光客についても同じことが言え、初めて訪れる地域ではツアーなどを利用して連れて行ってもらう。リピータとして訪れる際は、レンタカーなどを利用して、気にいった所、ツァーなどでは訪問しない所に行ってみたくなる。
リピーターとしての訪問
リピーターとして訪れる場合は、ある程度状況もわかっているので、自身の行きたい所、好きな地域を訪問し、興味をもった地域に滞在して、楽しみたいという需要が出てくる。道すがら地域の人々と交流し、街並みを楽しみ、行動形態も多様化する。この際、民泊というアイテムを準備しておくと、いずれの地域でも旅行者の受け皿となり、滞在場所として旅行者を受入れることが可能となる。著名な観光施設や立派な宿泊施設は必要なく、普段の何気ない生活が魅力を感じさせる。こういった情報は、旅行者を通じて世界に発信される。民泊経営者側も受け身の姿勢で待つのではなく、自身の施設のホームページなどを作成し、「○○にこんな民泊施設があります」「このような地域です」のような情報をどんどん発信していくことが大切である。
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言語障壁への対応
外国人旅行者を受入れる際、言語が障壁のひとつとなっているかもしれない。この点については,外国語が話せなければ、民泊は無理というのではなく、外部のサービスを活用することで、十分対応できる。タブレット端末を用いたテレビ電話による翻訳サービスも提供されており、全て自前でということにこだわる必要はない。オリンピックや万博を控え、民泊が観光やまちづくりに新たな魅力を付加することが期待される。