米国 ジャージーシティで住民投票 民泊規制を強化
ニュージャージー州ジャージーシティでは、5日に実施された住民投票で、短期住宅レンタルに関する規制強化条例が承認された。結果は69%対31%で、規制賛成派が圧倒した。地元メディアによると、所有者が滞在していない物件について、短期レンタルが可能な日数を年間60日までと制限。また所有者が滞在していない部屋数が4室以上の建物における短期貸し出しが禁止された。賃借人がレンタルのホストとなることも禁じられたとのこと。
規制は、6月に市議会で承認されたが、Airbnbが支援する団体「Keep Our Homes」が住民投票に必要な2万以上署名を提出したため、住民投票が実施された。
市長を含む規制提唱者は、短期レンタルが、地域の治安や生活の質に悪影響を与えるほか、住宅ストックを減少させ、家賃を上昇させていると話している。一方、反対派は、Airbnbなどの企業はローカルの経済を助け、勤労者世帯に追加の所得を提供しているとして、反対を唱えていた。
ニューヨーク市から規制が緩いマンハッタンから近いジャージーシティーに民泊需要が流れていた?
ロウアーマンハッタンから電車で数分のジャージーシティの人口は約271,000人。同市が条例によって短期レンタルを承認した2015年以降、Airbnbなどのサイトの登録数は10倍に増加したという。なお、ニューヨーク市はAirbnbの最大のマーケットで、5万件以上の物件が登録されている。ニューヨーク州の法律では、ホストが同時に居住していない場合、30日未満のアパートの貸し出しが禁じられている。
ニューヨークタイムズによると、同市内のAirbnbの登録数は3,000件近くあり、このうち大規模な投資家が運営する物件が多数ある。観光客に人気のニューヨーク市は違法な民泊の取り締まりを強化してため、規制が緩くマンハッタンから近いジャージーシティーに民泊需要が流れていたとの指摘もある。
他都市でも、短期住宅レンタル法規制の動き
Airbnbなどの短期レンタル市場の急激な拡大を受け、規制を強化する動きが世界各地で拡大しているらしい。
ロサンゼルスやアムステルダム、パリ、バンクーバー、ブリティッシュコロンビアでは、短期レンタルに関する法規制が通過したほか、マヨルカ島はスペインで初めてAirbnbの禁止を決定した。なお、ニューヨーク市では昨年、違法な貸し出しを取り締まるため、ホストや物件、貸し出し日数などに関し、細く情報開示を求める法案が成立した。新法は今年2月に施行を予定していたが、Airbnbの申し立てにより、裁判所によって一時差し止めが認められているとのこと。