空家が増えている背景

両親や親族が亡くなり、郊外や地方にある実家が空家となり、その処分を考えなくてはならなくなってきた相続者が多くなっている。 高齢化が進み、これが全国的に多くなっている空家を増やす大きな要因の一つとなっている。空家となった実家の活用法の一つとして、民泊利用を考えてみたい。

空家が増えていることへの対策

住む人がいない家は傷みも早い。かといって、更地にすると固定資産税が5~6倍になり、相続者の負担が増える。空家のまま放置しておくと危険であり、近所に迷惑をかけたり、国や地方自治体の空家対策対象物件などになってしまう可能性がある。

仮に、売却→なかなか売れない

        リフォームして貸す→コストをかけても借りる人がいるかどうかわからない

などの理由により、今後、増々増えてくる空家となった実家などの対策、活用法として、民泊を考える。

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実家の民泊利用の効果

ねぶた祭りなどの観光ピークシーズンには、青森市など全く宿がとれず、かつ宿泊料が普段の3~4倍となる。一方、高齢化が進み、子供は都会に出てしまい、地元に帰る意思がなく、ひとり住まいとなった高齢者世帯、住む人がいなくなり、空家となった実家などが多くなっている。

このような状況下で、空き室、空家を利用する民泊という宿泊形態は、両者にとって有効であり、利用者(旅行者)がピークシーズンに利用できる宿泊施設を増やす効果を生む。



民泊の将来性

民泊は、今後、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック、大阪万博などの海外からの訪問客の宿泊施設不足対策にも、大都市郊外、地方でも需要が望める。

民泊について

1.民泊とは(管理する法律)

民泊という言葉を聞くと、民宿という言葉がすぐ頭に浮かび、何が違うのかという疑問がわいてくる。一番の違いは、民宿は反復継続営業できるが、民泊は営業日数が年間180日以内となっている(条例でさらに制限がある場合がある) 管理する法律が異なる。民泊は今年の6月(2018年6月)に施行された「住宅宿泊事業法」(いわゆる民泊新法)、もしくは国家戦略特区法。民宿は旅館業法の適用を受ける。以前より民泊を行っていた業者は、旅館業法による許可を受けて営業している。民泊新法施行後は、「住宅宿泊事業法」のもとに届出を行えばよい。「旅館業法」では”許可”、「国家戦略特区法」では”認定”、「住宅宿泊事業法」では”届出”なので、「住宅宿泊事業法」の届出が一番し易いと思われる。叉、「旅館業法」では営業できる地域に制限がある。(「国家戦略特区法」も同じ) 「住宅宿泊事業法」では基本的に全国どこでも人が住んでいる所ならば、営業できる。あと「国家戦略特区法」では、利用するお客様の条件として、2泊3日以上の滞在が条件となる。

2.「民泊新法」とは

平成30年6月より施行された法律(成立は平成29年6月)。近年、訪日外国人旅行者数の増大や国内旅行者数の増大に伴い、人気の観光地や首都圏で宿泊施設の不足が目立つようになってきた。それに伴い、一般家庭の空室や空家に旅行者を宿泊させる民泊が多くなってきたが、住宅地域に外国人などを宿泊させることで、マナーやルールが守られず、騒音やゴミ出しなど、近所の住民に迷惑をかけるなどトラブルも多くなってきた。その対策として、安全面・衛生面の確保と近隣トラブルの発生を避ける、叉、観光客の宿泊ニーズの多様化などに対応するため、一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図るものとして、新法が制定された。



3.民泊を始めるには

要点についてのみ記載する。前提として、実家をすでに相続し相続した実家の名義が相続者になっている場合とする。賃借人や、転借人の場合でも確認事項が満たされれば、民泊営業できるが、細かくなるので、ここでは除く。質問事項などがあれば、民泊についての管理元である各都道府県庁の保険衛生部などに聞いてみて下さい。実際の届出の受付処理は、保健衛生部配下の各地区の支部、もしくは保健所などが実施している。

  1. 民泊を始めるには、「住宅宿泊事業法」に伴う、民泊を行う土地の都道府県知事への届出が必要。住宅宿泊事業を営む人を「住宅宿泊事業者」と呼ぶ。
  2. 届出を行う前に、下記項目などについて事前確認、及び添付書類を準備しておくことが必要となる。マンションなどの場合は、管理規約で民泊が禁止されていないか、条項が記載されていない場合でも、管理組合などに確認しておく。

「消防法令適合通知書」の準備。管轄の消防署に交付申請をして、立入検査を受け、適合しているとされた場合「消防法令適合通知書」が交付される。

・民泊を行う住宅が、必要な設備要件と居住要件を満たしているかどうか。

相続した実家ならば、おそらく設備要件は満たしていると思われるが、居住要件で、少なくとも年1回以上は使用している家屋現在は常時居住しておらず、将来的に居住することを予定している空き家転勤により一時的に生活の本拠を移しているものの、将来的に再度居住するために所有している空き家などとなっているので、将来全く住む意思のない実家、年1回でも帰省していない実家などは、居住要件が満たされていないと見なされる。

★民泊事業を行う間、住宅宿泊事業者が届出住宅(民泊させる住宅)に不在の場合は、住宅宿泊事業の業務及び届出住宅の維持保全業務などの為、住宅宿泊管理業者に委託する必要がある。住宅宿泊事業者が敷地内や隣接の住宅などに、居住している場合は、除外される。

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★「住宅宿泊事業者」の主な業務

①宿泊者の衛生の確保
・宿泊用居室の床面積に応じた宿泊者数の制限
・定期的な清掃、換気
・その他厚生労働省令などで定める措置
②宿泊者の安全の確保
・非常用照明器具の設置
・避難経路の表示
・その他国土交通省令などで定める措置
③外国人観光客である宿泊者の快適性及び利便性の確保
・外国語を用いて、届出(=民泊用)住宅設備の使用方法に関する案内
・外国語を用いて、移動のための交通手段に関する情報提供
・外国語を用いて、火災地震その他の災害が発生した場合における通報連絡先に関する案内
・その他国土交通省令などで定める措置
④宿泊者名簿の備え付け
・届出(=民泊用)住宅で宿泊者名簿の作成と3年間の保存
・宿泊者の氏名、住所、職業、宿泊日、その他厚生労働省令、国土交通省令で定める事項の記載
日本国内に住所を有しない外国人の場合は、国籍及び旅券番号の記載、及び旅券の写しを宿泊者名簿とともに保存

・都道府県知事の要求があった場合、宿泊者名簿の提出。
⑤周辺地域の生活環境への悪影響の防止について必要事項の宿泊者への説明
・騒音防止のために配慮すべき事項
・ごみ処理に関し配慮すべき事項
・火災防止のために配慮すべき事項
・外国人宿泊者に対しては、外国語を用いた上記事項の説明
・その他厚生労働省令、国土交通省令などで定める事項の説明
⑥苦情等への対応
・届出(=民泊用)住宅の周辺地域の住民からの苦情及び問い合わせに対し、適切かつ迅速な対応
⑦標識の表示
・届出(=民泊用)住宅ごとに見やすい場所に標識の表示
⑧都道府県知事への定期報告
・届出(=民泊用)住宅ごとに、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月の15日までに各月の前2ヶ月分について下記事項について都道府県知事などへ報告
(a)届出(=民泊用)住宅に人を宿泊させた日数
(b)宿泊者数
(c)延べ宿泊者数
(d)国籍別の宿泊者数の内訳

住宅宿泊事業者は宿泊者の安全確保の為、届出施設に宿泊者がいる場合は、1時間程度の不在(生活必需品の購入などの場合は2時間程度まで)は一時的な不在として認められるが、それ以外の場合には住宅宿泊管理業者に委託しなくてはならない。

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4.民泊を利用するには(民泊予約サイト)

民泊予約サイトの運営業者は民泊宿泊仲介業になる。ネットで民泊予約(仲介)サイトなどと検索すると幾つかのサイトが出てくる。有名なサイトとしては、世界的なAirbnb などがある。Airbnbはアメリカに本社を置く会社で、日本では民泊ブームの火付け役となった。2018年に日本で民泊新法が制定される以前は、受入れ側は旅館業法の許可を得ていない、いわゆる違法民泊も多かったようである。海外で始まったサービスであるので、海外からの訪日客が利用し、正式な許可を受けていない日本国内での民泊施設で異なる生活習慣で滞在した為に、民泊新法の制定が必要となった事態を引き起こしていたと思われる。民泊新法の施行前から、観光庁などは違法な民泊施設登録である場合は、予約サイトから削除するように通知していたようである。法律が施行されてからは、まず、これらの予約サイトの運営業者が民泊宿泊仲介業者として正式登録されているかを確認すること、叉、正式な予約サイトの運営業者は、サイトに登録されている民泊事業者が各都道府県に届出受理されている民泊事業者であるか、営業日数が180日以内であるかなどを確認し、違法な場合は登録を取り消すこととされている。民泊宿泊仲介業者の登録確認は、民泊宿泊管理業者の登録確認と同様な方法で確認できる。

民泊予約サイト

・STAY JAPAN    日本初の民泊総合サイト(農林漁業体験型がある民泊サイト)  
               ステイジャパン

・Vacation Stay 日本最大級の宿泊・民泊サイト

・Airbnb        アメリカカリフォルニアが本社の世界的な民泊サイト

・Vrbo          アメリカテキサスが本社の1棟貸しを主とする民泊サイト  Vrbo



民泊法律関連サイト

観光庁に ”民泊制度ポータルサイト「minpaku」” というサイトがある。ここには、民泊についてほぼ全ての項目の必要情報が表示されており、多少前提知識のある方ならば、非常に役立つ。

例えば、
・民泊の始め方
・届出の必要書類
・各自治体の情報・窓口  等々。

叉、上記には、パソコンで各項目に入力すると、申請用紙に必要項目が自動的に入力されるシステムが装備されている。ここに入力、印刷出力し、各必要添付資料とともに、各都道府県の申請窓口に提出できる。

入力方法

①”民泊制度ポータルサイト「minpaku」”(トップページの右下)
「民泊制度運営システムのご案内」
「次へ-民泊制度運営システムの利用方法」
「利用者登録」(右側ボタン)
事業区分、姓名、連絡用メールアドレス登録の登録
④連絡用メールアドレスにユーザー名、ログイン画面のリンクが送付される。
「ログイン」して必要事項を入力

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