「じゃらん宿泊旅行調査 2019」結果要旨

「株式会社リクルートライフスタイル」、「じゃらんリサーチセンター」は、全国1万5,559人の宿泊旅行者を対象に「じゃらん宿泊旅行調査 2019」を実施した。この調査は、観光などを目的とした宿泊を伴う国内旅行実態を把握するために 行っている調査で、出張・帰省・修学旅行などを除いたマーケットの動向を調べている。2018年度(2018年4月~2019年3 月)における国内宿泊旅行の行き先や回数、旅行費用などを調査し、今年で15回目の実施となる。

調査概要

●調査方法 インターネットによる調査

(1)1次調査

・調査目的 全国の宿泊旅行実施者を抽出することに加え、性・年代別の宿泊旅行実施率を知るために実施。
・調査時期 2019年4月1日(月)~10日(水)
・調査対象 全国20~79歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)
・配信数 69万6989件
・調査内容 2018年度(2018年4月~2019年3月)1年間の国内宿泊旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)実態
・回収数 8万件(回収率11.5%)
・1次調査 集計対象者数 2万件
※回収された8万件のうち都道府県別・性・年代別に割付を行い2万件を抽出、 性・年代別宿泊旅行実施率を算出
・2次調査対象件数 4万5149件

(2)2次調査

・調査目的 全国の宿泊旅行実施者に対して、宿泊旅行の内容を知るために実施。
・調査時期 2019年4月5日(金)~19日(金)
・調査対象 4万4515件(うち、同居家族モニター366件)
※1次調査において、「昨年度1年間に国内宿泊旅行をした」と回答した人:4万5149件
※追加調査において、「昨年度1年間に国内宿泊旅行をした」と回答した人のうち、調査協力が得られた 60歳以上の家族本人:366件
※調査回収難度が高い60歳以上の回収数を増やすために追加調査を実施。
追加調査は株式会社マクロミルの登録モニターのうち60歳以上の家族と同居しているモニターを対象として、該当家族が同席する上で回答という条件で実施。 (回収数1万件 、2次調査対象者数366件)
・配信数 2万7138件 (うち、同居家族モニター269件)
 ※配信数は対象者の中から都道府県別、性・年代別の割付にあわせてランダムに抽出。
・調査内容 昨年度1年間に実施したすべての宿泊旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)の行き先と回数について、また1人最大3件までの
 個別宿泊旅行について、具体的な内容を調査。
・回収数 1万5620件(回収率57.6%)
・有効回答数 1万5559件(うち、同居家族モニター235件、旅行件数ベース3万717件)

延べ宿泊旅行者数推計

・宿泊旅行実施率、延べ宿泊旅行者数、延べ宿泊数、いずれも2年連続増加。
 特に若年層(20~34歳)での宿泊旅行実施率の伸びが目立つ。
・2018年度の1年間に宿泊旅行を行った人の割合は56.4%で2年連続で微増となった。
 特に若年層 における伸びが高く、20~34歳の男性では2年連続の増加、20~34歳の女性では前年から3.8ptの増加 となった。
・実施者における年間平均旅行回数は2.78回で前年と同レベルだが、宿泊旅行1回あたりの平均宿泊数は1.78泊とやや増加。
・延べ宿泊旅行者数は前年度比1.5%増、延べ宿泊数は前年度比3.0%増で、いずれも2年連続で増加。

宿泊旅行の費用総額

・宿泊旅行にかけられた費用総額は8兆6496億円、そのうち現地消費にかけられた費用は3兆4830億円、4割を占める。
・1回あたりの宿泊旅行費用は、平均で総額5万8,500円。
 うち、宿泊・交通にかけられた費用は3万 4,900円、現地消費は2万3,600円となった。
・パック旅行では現地消費が高なる傾向があり、全体平均を 500円ほど上回る。
・ 総額では推計で8兆6496億円。現地消費はうち4割ほどを占めている。

宿泊旅行の同行者

・「一人旅」が微増し18.0%。 35~49歳男性以外のすべての属性で増加し、過去最高値。
・もっとも割合が高いのは「夫婦二人での旅行」で25.2%。 次いで「一人旅」が18.0%と続く。
 前年度から増加したのは「一人旅」「恋人との旅行」「小学生以下の子連れ家族旅行」「友人との旅行」。
・「一人旅」は35~49歳の男性を除いて、すべての属性で増加し、過去最高値。

都道府県別の延べ宿泊旅行者数と増減

・延べ宿泊旅行者数1位は東京都、2位北海道、3位大阪府 ベスト10いずれも順位に変動なし。
・延べ宿泊旅行者数の増加率トップ3は徳島県、山口県、和歌山県
・延べ宿泊旅行者数の多い旅行先(都道府県別の延べ宿泊旅行者数)は、ベスト10の順位にまったく変動がみられない結果となった。
・「延べ宿泊旅行者数」の増加率1位は徳島県で37.9%と大幅増。続いて山口県 (16.5%増)、和歌山県(15.0%増)。
・ブロック別にみると、関東ブロックで135万人と大きく増加。 うち65万人は千葉県への旅行者増加によるもの。
 居住地ブロック別にみると同じ関東、および関西からの旅行者が増えている。

《選んだ理由別 都道府県ランキング》

国内旅行をした人になぜその旅行先を選んだかを聞き、理由別にランキングを作成した。
●特定のイベントやアクティビティに興味・・・1位:千葉県
●テレビや雑誌などで話題・・・1位:長崎県
●特定の観光地・スポットに興味・・・1位:島根県
●食・特産品に興味・・・1位:高知県
●良い宿・ホテル・・・1位:大分県
●魅力的な温泉・・・1位:大分県

《テーマ別・都道府県魅力度ランキング》

●地元ならではのおいしい食べ物が多かった
- 1位:石川県、2位:高知県、3位:北海道
ベスト3の順位に変動なし。 宮城県、長崎県、和歌山県が新たにランクイン。
ベスト3は変動がなく、石川県が2年連続で1位。4位の熊本県、5 位の沖縄県、6位の香川県はそれぞれ順位を上げた。圏外からランクインした8位の宮城県は「牛タン(料理)」が圧倒的人気、 長崎県は「ちゃんぽん」、10位の和歌山県は「マグロ」などの魚 介類の名前が挙がっている

●魅力のある特産品や土産物が多かった
- 1位:沖縄県、2位:北海道、3位:熊本県
沖縄県は14年連続1位。 3位の熊本県は圏外から一気にベスト3入り。
1位の沖縄県は14年連続。2位は前年度に続き北海道。3位の熊本県 は圏外からランクイン、「馬刺し」に加えて「くまモングッズ」が 変わらず人気。ほか、6位の鹿児島県(「さつまあげ」「かるかん」「芋焼酎」)、8位の宮城県(「ささかま」「ずんだ餅」「牛タン」)、10位の三重県(和菓子)が新たにランクイン。

●魅力的な宿泊施設が多かった
- 1位:大分県、2位:沖縄県、3位:熊本県
4年連続で大分県が1位。 和歌山県、兵庫県、三重県が新たにベスト10入り。
1位の大分県をはじめ、有名温泉地を有する地域が上位に。4位の 和歌山県は「白浜温泉」、7位の兵庫県は「城崎温泉」などが挙げられている。一方、2位の沖縄県はリゾートホテルの具体的な名称が挙がるケースが多い。

●地元の人のホスピタリティを感じた
- 1位:沖縄県、2位:熊本県、 3位:青森県、鹿児島県
沖縄県は14年連続1位。2位に熊本県が急上昇。 大分県、香川県、佐賀県など西日本エリアに勢いが。
1位の沖縄県は今年で14年連続の1位。2位の熊本県をはじめ、西日本エリアからのランクインが目立つ。6位の大分県は「お土産をおまけしてもらった」「観光地としてホスピタリティを感じた」との意見も。10位の佐賀県は「唐津くんち」や「バルーンフェスタ」などお祭りやイベントに関するコメントが多い。

●子供が楽しめるスポットや施設・体験が多かった
- 1位:千葉県、2位:沖縄県、3位:和歌山県
1位の千葉県は14年連続。ベスト3に順位の変動なし。 5位の栃木県、9位の鳥取県が新たにランクイン。
5位の栃木県は具体的なテーマパーク名が多く挙がっている。9位の 鳥取県は、水木しげるロードなどの観光スポットや海水浴、また鳥 取砂丘も人気。

●若者が楽しめるスポットや施設・体験が多かった
- 1位:千葉県、2位:沖縄県、3位:大阪府
トップ3の顔ぶれは2005年度以来変わらず。 千葉県が沖縄県をかわして1位を獲得。
4位の和歌山県は白浜エリアのテーマパークが大人気で4ランクアッ プ。新たにベスト10にランクインした7位の大分県は、テーマパー クや温泉スポットに加えて、ホテル内のアミューズメント施設も名前が挙がっている。

●大人が楽しめるスポットや施設・体験が多かった
- 1位:沖縄県、2位:千葉県、3位:奈良県
沖縄県は3年連続で1位。 奈良県が3ランクアップで3位に浮上。
3位に入った奈良県は、神社仏閣に加えて博物館も人気。9位に入った広島県は圧倒的に神社が多いが、野球観戦も多く挙がっている。 10位の石川県は庭園や城下町などの街めぐりが人気だ。

●現地で良い観光情報を 入手できた
- 1位:沖縄県、 2位:北海道、京都府
ベスト3の顔ぶれは変わらず。 青森県が4ランクアップ。
パンフレットや観光案内所、地元の人などに関するコメントが多い。京都府や鹿児島県ではガイドの説明が良かったとのコメントも。