ゲストハウス

近年、ゲストハウスと呼ばれる宿泊形態をしばしば耳にする。これらは管理上は、民宿やペンションなどと同様に旅館業法の簡易宿泊所に含まれるが、民宿やペンションなどと異なるのは、その地域に縁のない比較的若い世代が開業しているケースが多いことである。UIターンなどで、地方に移り、生計は宿泊業とは別の仕事を得て、副業として行っている場合もある。そのような場合は、観光シーズン以外は休業、または祝祭日営業などで、民泊として行っている場合もある。宿泊施設は、既存の民家などの空家を購入、賃貸して改修しているが、中には、DIYで自分で改修している場合もあると聞く。地方の家主は見知らぬ相手に持ち家を貸したり、売却することに抵抗があることが多い。これらの移住者は、移住前から移住先の地域の活動に参加し、その地域の住民との地縁を作り、人的なつながりを形成して開業していると聞く。

地域への愛着/アイデア

宿泊業は、副業としている為、ゲストハウス経営収入を生計のあてにはしていない。しかし、宿泊代以外の収入も上げるため、趣味などを含めた教室などのイベント開催、場所の提供、また地域と都市との交流、文化の進展などを図るため、地元の住民と協力して、講師などを招いて文化的な教室の継続的な開催などを実施している。これらの移住者は、他の地域からその地域を選んで移住してきたので、その土地の特徴を知っていて、地域に対して魅力を感じている。それ故、その土地で生まれ育った人間が気がつかない土地の特色、アイデアをもっていると思われる。その土地に実家のある人が民泊を営む上で、多いに参考になるはずである。