シェアリング・エコノミー

「シェアリング・エコノミー」とは。「個人が保有する遊休資産(モノ・場所・技能など)をインターネットなどを介して他人も利用できるサービス」である。社会の具体的な例を挙げると、民泊や、貸し会議室/事務所などのスペースシェア、自動車の相乗りなどのライドシェア(日本では有償のライドシェアは禁止されている)などがある。

これらは、厳密な意味で言うと、個人の遊休資産のみではなく、企業が保有する資産を利益追求の為にネットを通して貸し出す場合も含まれるので、今は個人の場合について考えてみたい。

シェアリングの普及効果

シェアリングはインターネットサービスの拡大やSNSの普及で、資産の貸し借りが容易になってきたことで生まれてきた。遊休資産を社会で効率的に利用できるので、ひとりひとりが資産を持つ必要が少なくなる。よって、ものが溢れる世の中ではなく、節約型の社会が望める。

社会全体でモノを効率的に利用できるようになれば、環境面でも、廃棄物の量なども減り、エネルギー消費なども効率的、経済的にできるので、環境問題の軽減にも繋がると言える。

空き場所の貸借

シェアリング文化と国民性

日本人は、その国民性から、人や回りに対する気遣いを重んずるので、人とモノを共用するのはあまり好まない傾向があると言われる。
特に高年者層は、気遣いすると疲れるので、自分で好きなときに好きなように使用したいがために、共用ではなく個人でモノを所有したいと思う傾向がある。

一方、若年層はシェアリングに対しては抵抗が少ないようにみえる。企業型のシェアリングであるが、自転車シェアリングや衣服のシェアリングなども普及してきているようである。

民泊について見てみると、国内での日本人の民泊利用度は低い。これはシェアリングという考えに対しての国民性と、高齢者層の民泊についての理解が少ないということが影響していると思われる。

シェアリングの今後

日本で、有望とみられるサービスの一つに、個人スキルのシェアであるクラウドソーシングサービスがある。 スキルの共用サービスが発展している背景には、高齢化社会に伴う社会保障制度の行き詰まりや、企業の従来型の雇用制度の崩壊と働き方改革が大きく影響しているらしい。

限られた労働力を共用することで新たな価値を生み出していく。少子高齢化社会という現状を考えると、これからの日本にとって有効な対処法のひとつになっていくのではないだろうか。